看護師の仕事は腰に負担がかかる動作が多く、大勢の人が腰痛で悩んでいる現状があります。日本医療総合研究所が調べたデータによると、看護師業務に就いている方の約85%が腰痛持ちという結果があります。いわば、腰痛は看護師の職業病と言っても過言ではありません。
腰痛が発生してしまう大きな理由に中腰姿勢があります。ストレッチャーや車椅子、そしてベッドでのお世話など、看護師の業務の至る所に中腰姿勢が発生します。また、介助を行う患者さんの体型が大きい場合は、腰に大きな打撃になります。ただでさえ中腰姿勢で腰に負担がかかっているのに、さらに負担をかけることになれば、腰を痛めたり、腰痛が悪化したりする事態は免れないでしょう。
看護師が腰痛を予防するためには、まずは身体の使い方を工夫することが大切です。中腰姿勢を取る際、腰から曲げてしまうと、腰部分に負荷が集中してしまいます。それを避けるためには、腰を曲げるのではなく、膝を曲げて体の重心を落とすようにかがむ動きが大事になります。慣れないうちはつらい姿勢に感じるかもしれませんが、慣れてくると中腰のときに比べて、足の方の力もアシストされることがわかるはずです。身体への負担が少ない状態を認識できれば、だんだん無意識に取り入れるようになるでしょう。
腰痛は、自分自身で予防やケアを行わない限り解消されることはありません。重症化してしまうと完治するまでに長い時間がかかってしまいます。そうならないよう、少しでも違和感を覚えたのなら、なるべく早めに何らかの対処を行うようにしましょう。
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